(3) 吉田 宏彦:県建築士会初代会長として ~建築家編②~

かわらばん2021年7月号

建築家・吉田宏彦は、東京帝国大学建築学科卒業、ドイツ留学し、福井高等工業学校建築科教授に着任。プレストレストコンクリート・ヨーロッパ近代建築を伝え、構造・意匠を繋ぐデザインを目指し、日本初PC建築床板を用いた「小松市庁舎(1951)」を設計。「荘子:逍遥遊篇」を好み、学生に鵬の如く大きくなれと伝え、川上英男(福井大学)や川口衛(法政大学)らを育てる。丹下健三の師・岸田日出刀とは、民謡「相川音頭」を唄う生涯の親友。1952年創設福井県建築士会・初代会長となり、地元の建築士・技師に高い倫理観のプロフェッション育成を考え、その土台を築く。「行幸記念碑(1934)」「福井県立岡島美術記念館(1958)」等も設計。戦災・震災からの市民生活再建を願い、社会・文化・ひとを総合する力とヒューマニティを備えたプロフェッサー・アーキテクトであった。(廣瀬)

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