かわらばん2022年2月号
戦後日本の庁舎建築は、国民の公共施設として、親しみやすく、便利で、且つ、安全なものでなければならない(官公庁施設の建設に関する法律 1951)と考えられ、また各市町村合併を背景として、全国各地に新庁舎が建造され始めた。その特徴は、RC造ラーメン形式のファサードと開放的なピロティ空間による多様なスタイルであった。県下では、1956年の武生市庁舎(日建設計工務)を皮切りに、1960~70年代には中谷肇・天谷新の鯖江市庁舎・池田町庁舎や仙坊光男の川西町役場庁舎、そして上川禎彦の三国町役場庁舎(中部建築賞)や木村慶一の織田町庁舎、伊藤貞・上川禎彦らの福井市庁舎、品川二三男の宮崎村役場庁舎(中部建築賞)等が注目される。このように戦後復興期から高度成長期にかけて、福井の風土に根ざし、建築技術・芸術の一体化をめざした郷土の建築家の想いは、次の世代へと受け継がれていった。(廣瀬)

(中谷肇・天谷新:合同建築事務所)

(仙坊光男:センボ―建築事務所)

(上川禎彦:上川建築研究所)

(木村慶一:木村建築事務所)

(伊藤・上川:県建築設計監理協会)

(品川二三男:品川建築事務所)